Joさんの旅情報

地中海クルーズでチュニスに来ています。

2014年7月17日


いつもヨーロッパからアフリカ大陸を眺めていましたが、アフリカ側から眺めてみると地中海がその間に広がる湖に見えてきます。

西の入り口にはスペインとモロッコがわずか15kmで向かい合うジブラルタル海峡があり(ジブラルタル岬だけは、未だイギリス領なのが大英帝国の名残でしょうか)、地中海の東にはイタリア・シチリア島とチュニジア・チュニスが向かい合っています。
この湖のような地中海でギリシャ文明、ローマ帝国が栄華を極めて歴史を作ってきましたが、東の入り口に位置するカルタゴ(チュニジア)は歴史に少ししか登場しませんが、一時の繁栄は興味深いものです。
紀元前8世紀ですから、今から2800年程前にこの地中海で海上貿易と農業で莫大な富を築き、シチリア、サルジニア、スペインにまで勢力を拡大し、地中海からジブラルタル海峡を初めて越えて西アフリカまで貿易範囲を広げていたそうです。2500年も前のことです。

そのカルタゴはローマ帝国のパスクローマ(ローマ帝国拡大政策)に勝てず、3度にわたるポエニ戦争に敗れ、カルタゴは歴史から消え去ることになります。
ローマ帝国はカルタゴの街も人も畑も焼き払い廃墟とし、永遠に人も住めず、作物もできないように大量の塩がまかれたといわれます。紀元前150年の出来事です。
そのカルタゴの今は、チュニス郊外でその後の遺跡が残されているだけです。地中海における地理的優位性は今も変わりませんが、資源でしか国の財政を建て直すことができない心許ない現実を目の当たりにしました。

この後、2500人乗りの大型クルーズ船ソブリン号はイタリア、モナコ等に寄港して母港バルセロナに戻ります。
真夏日の地中海クルーズを楽しんでいます。

Jo


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