Joさんの旅情報

かつての日本領土

2013年7月16日


釧路港を前夜出発した大型客船「サンプリンセス」は、夜明け頃には歯舞諸島(勇留島、志発島、多楽島)、色丹島を左手にかすめて、国後島と択捉島の間の海峡をゆっくり過ぎていきます。

見たことのない凛とした択捉島の山並み、すれ違うことのない穏やかな海峡、まさに近くて行けない昔の日本が静かにたたずんでいます。

この海峡は、日本政府のロシアを刺激しない方針で、日本船籍のアスカⅡなどは通過を許可されていません。外国船籍だからこの海域に立ち入ることが出来るようです。
間近に見える国後島、択捉島には、かつて多くの日本人が生活し缶詰工場など漁業関連の日本企業がたくさん活動していました。同盟国であった盟友ロシアは日本の敗戦降伏間近に、日露条約を一方的に破棄し、武力で北方四島、千島列島、樺太を自国のものにしてしまいました。

浅田次郎「終わらざる夏」にその事実を知ります。国家の関係には学力的優位不利が作用するとはいえ、武力で奪われてしまった日本固有領土を経済力学的優位にあった日本が取り戻せるワンチャンスを生かせなかったことを悔やみながら、サンプリンセスは北方四島を後に航海が続きます

Jo@知床半島周回中


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