Joさんの旅情報

沸騰し続けるアラビア半島

2013年4月23日


日本と中東を結ぶ航空路線を見てみると、その時代に発展する都市が見えてきます。
ドバイと結ぶエミレーツ航空、ドーハと結ぶカタール航空、アブダビと結ぶエティハド航空などが日本とアラブ世界を近づけてくれています。

そのアラブ諸国は、つい50年ほど前まで、家畜を連れて土漠移動を繰り返すベドウィン(遊牧の民)の暮らす地でした。その地に石油が出たことで、今までの生活が一変してしまいます。

イギリスやオランダのメジャーと呼ばれる石油資本が開発を始めた頃、1バレルが5ドル程度だった原油は、世界的な需要増により、今では1バレル100ドルにまでつり上がってしまいました。その背景には世界中の人々が車に乗り、使い放題の電気を作り出す石油と天然ガスを必要としたからです。その原油やLNG(液化天然ガス)で得た潤沢な資金力で、水を作り、砂漠を緑に変え、土漠を高層ビル群に変えてしまいました。
まさに、現在のドバイの際限なき建設ラッシュは、バブル展示場の様相です。
9年後の2022年6月に、灼熱のドーハで開催されるFIFAワールドカップ、2020年に開催されるドバイ万博など、オイルマネーで手に入れたビッグイベントが目白押しです。

そんななかで、最大産油国で莫大なオイルマネーを手にしたサウジアラビアは、ど派手一辺倒なUAEやカタールとは全く違う道を選択しています。
厳格なイスラムの戒律で国民をまとめ、世俗的快楽を排除し、一滴のアルコールも存在せず、国民に悪影響を及ぼす理由から外国の観光客は制限され、あり余る資金で国民にはそれなりの豊かさも提供しています。
そのサウジアラビアは、静かにドバイやカタールをはじめ世界に投資をし、しっかり自国の石油後の将来を見据えている姿が見えます。

世界から人と物を集め、ダイナミックに沸騰し続ける中東の都市を見るにつけ、TPPに加盟するか否かごときを議論している規制だらけの閉鎖国日本の、のほほん度にあきらめさえ感じてしまいます。
日本の買っている石油や天然ガスはジャパンプレミアムと呼ばれ驚くほど高く買わされていることは、中東の常識だそうです。
あぁ~

Jo@アブダビにて


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