Joさんの旅情報

イスラエルを想う

2013年4月12日


今からさかのぼること3000年前(紀元前1000年)に、ダビデ王がエルサレムに首都を建設します。その時代に人々の心のよりどころとしてユダヤ教という宗教が広まっていきます。
そのユダヤ教を信奉する人達、またユダヤ教の女性から生まれてきた子孫(男系でなく女系)をユダヤ人と呼びます。

それから1000年が経過したころに、そのエルサレムの地でイエスキリストが生まれます。紀元の始まりです。
そのキリスト教がそれまでの宗教に新しい流れを作ります。
その後、キリスト教もいくつかの分派を繰り返し、また7世紀に入ると予言者モハメッド(ムハンマド)がコーランを携えて新しい宗教イスラム教を広めて行きいます。
新しい宗教は古い宗教を否定することによって拡大してゆくのが常であり、ユダヤ教、ユダヤ教徒は新しい宗教の拡大によって迫害をうけることになります。

時のローマ帝国は、力を持ってエルサレムからユダヤ教徒を追放し、キリスト教の大拡大をはかります。
エルサレムを追われ、世界に散らばって行ったユダヤ教徒は静かに信奉を続け、その抜きんでた才能と強い結びつきによって、文化や芸術、経済などで結果を出していきます。
そして、時代背景がそうさせてしまったのだろうか、ナチドイツによる600万人にものぼるヨーロッパのユダヤ人大虐殺が起こってしまいます。

しかしながら、この悲劇がユダヤ人国家イスラエル設立に世界が理解を示す原点になります。あまりにも悲惨な出来事ゆえに、世界規模で重要な地位を築いていたユダヤ人達が大国アメリカ、ロシア、国連を動かし、悲願であったエルサレムの地に小さなユダヤ人国家「イスラエル」が設立されることになりました。1948年の出来事です。

しかし、物事はそれほど簡単に解決するわけでもなく、ローマ帝国時代からその地で営々と暮らしてきたパレスチナ人達が石っころだらけの隅に追いやられ、強く反発し争いを激化させてゆく正義を否定することはできません。
アラブ諸国の反発はイスラエルだけでなく、無理やり民主主義を押し付けようとする傲慢アメリカにも向かいます。
現実的には、この地で勢いを増すイスラエルの実力は想像以上です。アメリカを支配し続けているユダヤ人社会を背景にイスラエルが領土国土をさらに拡大し続ける姿に、過去に経験したユダヤ人追放の再来がやってきやしないかと案じるのは考えすぎだろうか。

マイアミの海岸線かとも思えるテルアビルの高層リゾートホテルで、発展イスラエルの将来を案じてしまいました。

Jo


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