Joさんの旅情報

印象派絵画を訪ねてパリ郊外とノルマンディーへ

2012年10月


いまからおよそ150年前、日本は長い幕藩体制が終わり明治維新から新しい国作りが始まったころ、フランス・パリでは絵画の世界で大きな変化が起こり始めていました。それまでの写真技術がなかった時代では、そのまま書き写す写実絵画が中心で、その忠実さが対価・評価の基準でもありました。宮廷お抱えの絵描きが主流であった時代が長く続いていたからです。

そんな古い制度や伝統に拘束されず自由な表現力で描きたい若者が現れてくるようになります。その背景にはどこでもいつでも使える金属製チューブ入り絵具の発明が大きく影響しています。その日しか使えない絵の具を自分で作ってアトリエでしか描けなかった画家達が、自然や光を求めて屋外で描けるようになって行きます。マネ、モネ、ルノアール、ドガ、セザンヌなどがアトリエを飛び出し、大胆な画き方で保守的、閉鎖的なフランス芸術アカデミーに挑んでいきます。これがフランス印象派絵画の始まりです。

しかし、古い体制が支配する展覧会やサロンでは新しい手法は評価されることもなく絵の買い手もつかず、絵具を買う金にも困る時代が続いて行きます。後年、彼ら印象派の斬新な表現力を高く評価したのは意外にもアメリカの成功者たちでした。

その秀作の多くはアメリカに渡って行きました。1867年パリ万博に出展された浮世絵や広重の作品は「ジャポニズム」としてパリ印象派画家に大きな影響を与えました。ゴッホは「パリ印象派の原点はジャポニズム」と表現しています。
 驚きと感動のフランス旅でした。


Jo


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