Joさんの旅情報

リビア 

人それぞれに個性があるように国にも考え方や生き方が違う国があってもおかしくありませんね。リビヤは悪玉カダフィのいる、ハイジャックも受け入れる怖い国というイメージでした。

紺碧の地中海に面し、世界遺産がいくつもあり、緑豊かで、石油埋蔵量世界8位、日本の4.6倍の面積がありエジプトの西隣り。なんて18時間のフライトで着くまでは思いもよらなかったです。 

リビヤの人々は親切で怖いものなど何もありません。昨年末、米国の経済制裁解除がきっかけで渡航が可能になりました。アルコールと豚肉が一切ダメな敬虔なイスラム国家です。百聞は一見にしかずとは、この事です。

10月3日

そもそも国家収入源のなかったリビヤを大きく変えたのは、1959年にアメリカメジャーエッソが油田を発見した事に始まります。その後に27歳でクーデターに成功したカダフィは社会主義的なイスラムアラブ国家樹立に邁進します。アメリカは意に沿わないリビヤを敵対国とし、カダフィの自宅を空爆した。数分前にロシアからの情報で難を逃れるも彼は最愛の娘を犠牲にします。報復としてパンナム機爆破を企て世界から孤立します。

大英博物館もルーブルも展示品は統治国から奪ってきた品物です。歴史から学ぶべきは大国側からの情報だけで物事を判断するのは危険です。イラクも同じ背景が見え隠れします。

長い経済制裁の結果、海外からの投資が滞り通信、道路、流通等のインフラが相当遅れています。在留日本人はトリポリ・ベンガジあわせても50人程度です。石油はイタリア等へ輸出され国家予算の75%を稼ぎ出してる割に発展に寄与しているとは感じません。

緑の書で民主主義を批判したカダフィも63歳になり、次のリーダーについて現地の人々は彼の次男がいいんではないかと・・・・ ちょっと待ってよ!それだったら他の独裁国の権力世襲と変わらないじゃないの!がっかり。それだったら郵政改革ごときが争点のはるか東方の日が出る国の方がまだましかと変に納得してしまいました。

10月17日

トリポリの交通手段は車が中心です。フランス・日本・韓国の中古車がほとんどで、中には中国の模造トラックが沢山走っています。TAYOTAやTOYOAUTOであったりです。空港も前時代的でした。

帰路、乗り継ぎでカタールのドーハに立ち寄りました。オイルとガスがもたらす金で空港・道路は整備され、ピカピカのランドクルーザーばかりです。カタール人は水道・ガス・国内電話・医療は無料です。

同じイスラムアラブ社会の産油国でありながらこれほどの違いがあることに驚き、リビヤ人ドライバーの「この35年で彼は十分貯えたんだから、みんな持っていっていいから・・」という言葉が思い出されました。


Jo

一年中あちこちと飛び回るJoさんのさまざまな視点からのリポートをお楽しみ下さい。