Joさんの旅情報

香港今昔

2010年11月


歴史を振り返ってみると立ち側によって意味合いが随分と変わって見えてくるものです。
今から約170年前の世界はイギリスが全盛の時代でした。王室から始まったお茶(ティータイム)の習慣は庶民にまで及び、イギリス国内で大量のお茶が消費され、その殆んどを中国から輸入していました。絹や陶器など贅沢品を一方的に大量に輸入しイギリスはその対価を金・銀で支払っていました。イギリスは一方的な対中貿易収支を改善するために、アジアとの貿易会社「東インド会社」にインドでケシを栽培してアヘンを作り、高価で売れる中国に輸出することを始めます。

この仕組みを考え出したのは東インド会社で働いていたスコットランド人のジャーディとマセソンでした。しかし、アヘンで国内の人的荒廃を恐れた中国(清朝)政府は全権大使林則除にイギリス商社からすべてのアヘンを没収する様に指示します。怒ったイギリス政府は中国に宣戦布告しあっさり香港を手に入れることになります、力の差は圧倒的でした。これがアヘン戦争の背景です。それからの香港発展はイギリス大英帝国と中国との窓口として大きな役割を果たします。そのすべてを担ったのが、戦時論功行賞で権利を得た「ジャーディマセソン商会」でした。

当時の「イギリスと中国」と現代の「アメリカと中国」の関係を比較してみると大変興味深い旅になりました。


Jo


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